不動産を売却する際にかかる費用を少しでも抑える方法
不動産売却では売主はお金をもらう立場です。その売却にかかる費用はなるべく抑えたいところ。これは売主の多くが考えるものです。ここでは、不動産を売却する際に費用を抑える方法を考えていきます。調べてみると節約できる費用と、それが困難な費用とが存在することがわかるかと思います。
印紙税
小岩周辺で3,000万円の土地売買をしたとします。契約には売買契約書を作成し、3,000万円に対応する収入印紙を貼り付けます。この収入印紙は印紙税という立派な税金なのです。不動産売買での印紙税は以下のようになります。令和4年3月31日まで不動産売買契約書への印紙税は以下のように軽減措置がとられ、安くなっています。
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500万円超1,000万円以下 |
5,000円 |
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1,000万円超5,000万円以下 |
10,000円 |
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5,000万円超1億円以下 |
30,000円 |
売主の場合は領収書を発行する必要があることから領収書に貼付する印紙は以下のとおりです。
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500万円超1,000万円以下 |
2,000円 |
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1,000万円超2,000万円以下 |
4,000円 |
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2,000万円超3,000万円以下 |
6,000円 |
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3,000万円超5,000万円以下 |
1万円 |
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5,000万円超1億円以下 |
2万円 |
先ほど例にあげた、小岩周辺で3,000万円の不動産を売却すると、契約書一通につき10,000円の印紙と領収書に6,000円の印紙が必要です。この印紙税は書面一通につき、印紙の貼付が求められています。もし通常2通作成する契約書を1通しか作成しなければ、1通分の印紙税が節約できるのです。不動産売買を日常的にしている不動産業者などは、売買契約書作成は一通にしてコピーを保管しています。
所得税
不動産売却をして儲けがでると所得税（譲渡所得）がかかります。実はこの所得税、多くの控除や特例があるのです。居住用不動産の特例、3,000万円の特別控除といったものになります。これらの特例や控除を利用すると、多くの人は譲渡所得税がかからないようになっているのです。居住用の不動産はその人や家族の生活の基盤となるもの。そこから多くの税金を取ることは国としても避けているのです。
住宅ローン返済手数料
住宅ローンを返済する手数料も店頭で返済するのか、ネットで返済するかでその金額が変わってくるもの。ちなみに三菱UFJ銀行の場合は、インターネット返済が16,500円、店頭での返済が33,000円です。住宅ローンを全額返済するのは、原則として物件の引き渡し当日となります。この日にうまく手続きができればインターネット返済も可能です。あらかじめ金融機関の担当者と打ち合わせを行い、引き渡し当日に安い手数料で返済できる段取りをつけておきましょう。
節約が難しい費用
不動産売買に必要な費用でも節約が難しいものもあります。仲介手数料、抵当権抹消登記費用などです。一定額はどうしてもかかる費用を、そこからさらに節約するのは難しいもの。この他にも金融機関や買主が反対するため節約できないものもあります。節約が難しい費用についてみていきましょう。
仲介手数料
先ほどの小岩駅周辺で3,000万円の土地の売却例でみていきましょう。仲介手数料は物件価格の3％プラス6万円。これに消費税10％があります。このため、3,000万円×3％+6万円＝96万円に消費税10％で105.6万円です。よほど継続的に取引をしているお得意さんなら仲介手数料の値引きも考えられますが、そうでない一般の人だと値引きは難しいでしょう。ただ、査定段階のような初期段階で交渉しておけばわずかながら可能性はあります。なお、買取のように直接売買であれば、仲介手数料は発生しません。この場合は仲介手数料を節約することができます。
抵当権抹消登記
住宅ローンを利用していて、売買代金でローンを完済する場合には抵当権を抹消する手続きが必要です。この抵当権抹消登記は司法書士に依頼すると3万円から5万円程度のお金がかかります。これを自分で済ませるとわずか5千円程度で済むのです。ただ、この方法は多くの場合買主や仲介の不動産業者が納得してくれません。彼らは円滑な取引を望んでおり、こうした手続きに万一のミスがあることを恐れるからです。安くなることはわかっていても司法書士に依頼することが多いのが、この抹消登記になります。
まとめ
これまで節約できそうな費用と難しい費用に分けて説明してきました。やり方次第では、税金を中心に費用を少し節約できることがわかります。この他、建物を解体したり、測量をしたりする場合に相見積もりを取るのも費用節約の基本です。売主は不動産売却でお金が入ってくる立場。少しでも費用を節約して手元に残る資金を多くしましょう。